川口英俊の晴耕雨読ブログ

四、唯識論について・下・2

施本「仏教 ~ 一枚の紙から考える ~」




一、はじめに
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・上
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・中
二、一枚の紙から・仏教の基本法理の理解・下
三、一枚の紙から・①而二不二《ににふに》
四、唯識論について・上
四、唯識論について・中・1
四、唯識論について・中・2
四、唯識論について・下・1
五、一枚の紙から・②而二不二《ににふに》
六、一枚の半紙から・補足余談
七、悩み・苦しみを超えて
八、最後に

四、唯識論について・下・2

前五識・・成所作智《(じょうしょさち》

 所作を成ずる智慧で、大中小の随煩悩に惑わされることが無くなり、心・口・意の三業が清浄に保たれるようになったこと。

意識・・妙観察智《みょうかんさっち》

 根本煩悩である貪・瞋・痴・慢・疑・悪見を滅し、この世のあらゆることに対しての虚妄分別が無くなり、実相のそのままを観じ察することができるようになったこと。

末那識・・平等性智《びょうどうしょうち》

自我に執着している自我意識、我執を無くし、我見・我痴・我慢・我愛の四つの根本煩悩を滅して、自他分別が無くなり、この世のあらゆるものを平等に識できるようになったこと。

阿頼耶識・・大円鏡智《だいえんきょうち》

 あらゆるもののあるがままの真理が、あるがままにそのままくっきりと鏡のように識に映るようになり、あらゆるものをそのままに識できるようになったこと。言葉ではもはや表現できない智慧の境地でもあります。

 もちろん、これらの智慧を得ていくためには、しっかりと仏法を学び、修行を一歩一歩進めて、全ての煩悩を滅していかなければなりません。共に頑張って、涅槃へ向けて精進努力して参りましょう。

 また、真言宗におきましては、第八識の次に第九識「阿摩羅識《あまらしき》」(如来蔵識《にょらいぞうしき》とも言われ、その智慧は法界体性智《ほっかいたいしょうち》とされている)、更には第十識もあるとして唯識論を展開する場合もあります。

 真言宗におきましては、それぞれの智慧について、如来様方で顕されてもいます。

五智如来《ごちにょらい》

大日如来《だいにちにょらい》・・法界体性智
阿しゅく如来《あしゅくにょらい》・・大円鏡智
宝生如来《ほうしょうにょらい》・・平等性智
阿弥陀如来《あみだにょらい》・・妙観察智
不空成就如来《ふくうじょうじゅにょらい》・・成所作智

 諸宗におきましても唯識論における解釈には諸説あります。唯識論の真なる理解につきましては、私もまだまだであり、今回はあくまでもほんの触りでの紹介の域でありまして、私も、皆様方それぞれも、確かな学びの進めが当然に必要であると考えておりますので、誠に宜しくお願い致します。

・・第五章・上に続く・・

〔本文、不許複製・禁無断転載〕

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